喪女日記

喪女が周りの人間に言えないことを吐き出すためのブログ。のろけだの美容系だの喋りたい。

元彼との別れと婚活の始まり

さて、2018年4月。私は大変ヤキモキしていた。

なぜなら、付き合って3、4ヶ月という楽しい盛りの時だというのに、彼氏と会う頻度が月に一回まで減っていたからである。ゴールデンウィークこそは会いたい。そう主張した私に対する彼の言い分はこうであった。

 

「仕事のために取る資格の勉強で時間がない、試験後の連休も家のことやったりして自分の時間を作りたいから会えない」

 

今なら少し冷静になっているから、まぁ社会人になりたてで、地元と離れた場所で頑張ってるんだからそんなもんかな……と思えるのだが、初彼氏で浮かれまくっていた私は理解ができなかった。

当時の恋愛経験ゼロ喪女の知恵を絞りに絞って可愛く「ほんの少しだけでも会いたい」と言ってみたのだが、彼はとうとう言った。

「ずっと言おうと思ってたんだけど、別れよう。君は悪くなくて、俺に余裕がないだけ。大切に思う気持ちは今でも変わらない」

2年も前のことだが、けっこうショックだったらしく今でも細部まで覚えている。ずっと言おうと思ってた、というのに衝撃を受けた。お互いに会えなくて寂しいと思い込んでいたので、悲しみとも怒りとも言えない気持ちになった。

そして、この言葉は恋愛経験皆無の喪女にとってとてもしんどかった。私に悪いところがなくて、相手も私のことをまだ好きなのなら、別れる必要なんてないじゃんと思った。理系のくせに非論理的だと思った。

私はこれなら説き伏せられるのではないかと思った。私たちは別れ話を電話でしていたのだが、案外私からはぽろりとも涙が出なかった。泣いていると思われた方が懐柔しやすそうだと思って、たまにわざと鼻をすん、と鳴らすほどだった。

 

「まだ好きなら今のままでもいいじゃん、会える時に会って、それでいいじゃん」

「君が言うならそうでもいいけど。いいの?俺が会いたい時に会って、でいいの?」

「だって好きだもん。我慢する」

会話の最中、私は何度も鼻をすするフリをした。鼻声で話した。別れを回避する方法を考えた。こうなってくると、さっきの衝撃でぐらぐらしていた頭が次第にはっきりしてきた。口では「好きだから」「支えたい」と言いながら、我ながらなんかおかしいな、と思ってきた。確かに好きではあったが、例えば一生待ち続けるとか、彼の都合の良い時にだけ会いに行って、彼のやりたいことだけして帰るのはおかしい気がした。

 

気がつくと、私は「やっぱいいや、めんどくさくなってきた。別れよう」と言っていた。自分でも驚くほどあっさりとした終わりの一言だった。

 

当時は自分の気持ちがよくわからなかったけど、今から考えるとよく理解できる。多分私は、喪女のプライドを持っていた。多分今でも持っている。

彼氏いない歴=年齢の女として、私は誰にも依存せず生きることができるという自負があった。

彼氏から連絡がないからといって毎晩スマホを気にしながら寝る自分が嫌だった。彼氏と会えないのが辛くてTwitterに出来の悪いポエムみたいなのを書く自分が嫌だった。結婚を焦っているのに彼氏にはっきりと伝えられないうじうじしている自分が嫌だった。

このウジウジした悩みも恋愛の醍醐味なのかと思っていたけど、半ば演技とはいえ別れ話で彼氏に泣いてすがるという、私の最も嫌悪する女の行動をしてみてわかった。私には向いてない。そんな私を私と思いたくない。私はいつでも笑顔で楽しく生きていたい。

 

別れた翌日からアプリに登録して、婚活パーティーの予定を入れたのも喪女のプライドだった。

いつまでも別れた彼氏のことを考えてウジウジする自分にだけはなりたくなかった。

切り替えの良さが自分の長所だと昔から思っていた。失敗を分析して次に進める賢さが自分にはあると思っていた。

どうせ次の彼氏ができたら元彼のことなんてすぐ忘れる、と斜に構えて思っていた。

 

 

結果的に言うと、多分これが私にとっては正解だった。

実際の性格は置いておいて(実のところは割と女々しくて寂しがりで引きずるタイプだが)、「どんな自分になりたいか」を第一に考えるのが良かったんだと思っている。

 

ほとんどがむしゃらに、何も考えないように、吹っ切れたふりをして婚活をしていると、だんだん本当に吹っ切れてきた。男女の違い論みたいなのは嫌いだが、女性の恋愛は上書き保存とはよく言ったもので、確かにたくさんの人とのやりとりの中で右往左往していると元彼への執着みたいなものは薄れていった。

 

こうして夢みたいな初彼氏との日々が終わり、より必死さが増した婚活が始まったのだった。